裁判の傍聴は、日本国憲法第82条で保障された「裁判の公開」に基づき、原則として国籍や年齢を問わず誰でも自由に行うことができます。事前の申請や入場料は一切不要で、普段着のまま法廷のドアを開けて入場可能です。
当日の具体的な流れとして、まず本庁舎1階の正面玄関に設置された手荷物検査ゲートを通過します。空港と同様の金属探知機とX線検査機による厳格なセキュリティチェックを受けた後、エントランスホールへ進みます。ここで最も重要なステップとなるのが、タッチパネル式端末や掲示板で公開されている開廷表の確認です。
開廷表には、その日に開かれるすべての事件番号、開廷時刻(午前10時〜、午後1時10分〜など)、法廷番号、事件名(「詐欺」「覚醒剤取締法違反」「損害賠償請求」など)、担当裁判官名が網羅されています。初めて傍聴に訪れる場合は、冒頭手続きから証拠調べ、被告人質問まで事件の全容が理解しやすい「新件(第1回公判)」や、ドラマチックな弁論が展開される「結審」「判決」の法廷を選ぶのが適しています。
法廷への入退室時は、法壇の裁判官に向かって軽く一礼するのが慣例的なマナーです。法廷内での私語、飲食、写真撮影、録音は一切禁止されており、スマートフォンは必ず電源を切るかサイレントモードに設定する必要があります。メモを取る行為は完全に自由であるため、司法修習生や学生、熱心な法廷ウォッチャーが静かに筆を走らせる光景が見られます。