SNSや美容相談プラットフォームで頻繁に見受けられるトラブルが、「ミルクティーベージュにしたはずなのに、色落ちしたら毛先が緑色に変色した」という現象です。上品なベージュを期待していた人にとって、濁ったマットグリーンへの退色は耐え難い失敗と言えます。
この現象の主因は、ブリーチ後の黄色とアッシュの青による絵の具の混色理論にあります。アンダーの黄色みが強く残っているベースに対し、赤みを消そうとするあまり青みの強いアッシュやシルバーを過剰に配合すると、「イエロー + ブルー = グリーン」の公式が成立してしまいます。染めたてはベージュに見えていても、繊細な紫染料が先に抜け落ちることで、残留した青と下地の黄色が結合し、不自然な緑味が浮き彫りになるのです。
さらに見落とされがちな盲点が、水道水やプールの水に含まれる微量金属イオン(銅イオン)の吸着です。ハイダメージを受けた毛髪はマイナスの電気を帯びており、水中の金属イオンを引き寄せやすい状態にあります。これが日々の洗髪で毛髪内に蓄積し、残留薬剤と酸化反応を起こすことで、青緑色の濁りを生じさせます。
緑化事故を未然に防ぐには、カラー配合時に青ではなく「バイオレット(紫)」や「ラベンダー」を微量に忍ばせたカラーレシピを美容師に依頼することが極めて有効です。紫は黄色の真裏に位置する補色であるため、混色しても緑にならず、無彩色に近いクリーミーな白〜ベージュへと綺麗に退色していきます。