ネット上の情報空間には、五ツ木模試に関する根拠薄弱な言説が定着しています。その最たるものが、「秋以降の五ツ木模試は偏差値が極端に低く出るから当てにならない」という説です。
この言説の真実は、模試の採点基準が厳しくなっているのではなく、「秋以降(第6回以降)に参戦してくる大手進学塾の上位生たちによって、受験者全体の平均レベルが大幅に底上げされるから」です。春先から夏場にかけては上位層が自塾の独自模試に専念しているケースが多く、秋から一斉に公開模試へ流入してきます。その結果、本人の実力が伸びていても、相対的な母集団のレベルアップによって偏差値が下がってしまう現象が生じます。
これを「模試の信頼性が低い」と解釈するのは致命的な誤りです。むしろ、秋の母集団こそが入試本番の勢力図そのものであり、そこで叩き出された数値こそが、粉飾のない残酷かつ正確な実力値であると認識すべきです。