「玉ねぎの苗をどこまで土に埋めるべきか」という疑問は、ビギナーと熟練者の間で最も仕上がりに差を生む核心部分です。結論から言えば、植える深さは「深さ2〜3cm」、具体的には根の付け根から立ち上がる白い茎の部分の半分程度が埋まる位置が理想の境界線となります。
玉ねぎの葉が分岐する根元の白い膨らみ付近には、新しい葉を次々と生み出し、後に肥大して可食部を形成する「生長点」が存在します。この生長点を土深くに埋没させてしまう「深植え」を行うと、生育初期の呼吸が阻害され、土中の過湿によって軟腐病などの細菌感染を引き起こします。さらに、球が横に肥大しようとする物理的スペースが周囲の土圧によって奪われるため、春になっても平べったい奇形球や縦長の細い玉にしかなりません。
一方で、倒れるのを恐れるあまり浅く置きすぎる「極端な浅植え」にも別の罠が潜んでいます。根の活着が完了する前に強い寒風に晒されると苗が風で吹き飛ばされ、冬場の霜柱によって根ごと地面から押し上げられて乾燥死してしまうためです。農家の圃場観察でも、緑の葉の分岐点より下、わずか2cm土を被せて根元を軽く鎮圧するという絶妙な力加減が、翌春の玉サイズを2L〜L規格へと揃える最大の分水嶺であることが実証されています。