全盲の天才ピアニスト梯剛之の現在と歩み|魂を震わす奇跡の音色

全盲の天才ピアニスト梯剛之の現在と歩み|魂を震わす奇跡の音色

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梯剛之の名が国際的なクラシック界に轟いたのは、1998年のことです。世界で最も過酷な若手の登竜門の一つとされるロン=ティボー国際コンクール(パリ)のピアノ部門において、第2位(1位なしの実質最高位)を獲得。あわせて現代音楽の優れた解釈に贈られるSACEM賞をはじめとする複数の特別賞を総なめにしました。

現地フランスの有力紙や審査員団は、「視覚障害というハンディキャップを一切考慮せずとも、純粋な音楽的構築力と音色の美しさにおいて群を抜いていた」と絶賛。コンクールのファイナルで披露された演奏は、会場を総立ちにさせるスタンディングオベーションを巻き起こしました。

勢いはそれにとどまらず、2000年にポーランドで開催された第14回ショパン国際ピアノコンクールに出場。世界最高峰の舞台において審査員特別賞を受賞し、ショパンの本質に迫る詩情豊かなカンタービレ(歌心)が高く評価されました。これらの輝かしい実績は、彼が単なる「話題のピアニスト」ではなく、歴史ある正統派クラシックの継承者であることを国際社会に証明する決定打となったのです。

山口 彩花
著者

山口 彩花

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。