2022年11月6日、宮島競艇場で行われた第10レース。A1級のトップレーサーとして次世代を担う存在だった中田達也選手に起きたアクシデントは、競艇界に痛烈な課題を突きつけました。
事故が起きたのは最終周回となる3周バックストレッチ。激しい着順争いの中で前走艇に接近した際、引き波の影響でバランスを崩し、艇体が浮き上がって落水しました。直後、わずかコンマ数秒の差で追従していた後続艇が回避行動を取る間もなく接触。現場の救助艇によって即座に救助され、広島県内の救急救命センターへと緊急搬送されましたが、同日死亡が確認されました。
日本モーターボート競走会および関係機関の検証によると、ターンマークでの競り合いではなく、ストレート区間での高速航走時における接触と回避余裕の喪失が事故の連鎖を生んだとされています。将来を嘱望された20代の若き実力者の死は、現役選手たちに筆舌に尽くしがたいショックを与え、レース現場の安全意識を根底から見直す契機となりました。