ネット上の情報を見て「舌が白いのは汚れ(舌苔)だからきれいに落とさなければならない」と思い込み、歯ブラシやスプーンで力任せにゴシゴシこすってしまう人が後を絶ちません。しかし、これは口腔粘膜の防御機能を著しく破壊する極めて危険な行為です。
舌の表面にある糸状乳頭は非常に繊細であり、過度なブラッシングによって微細な出血や炎症を引き起こすと、かえって角化が促進されて舌苔が分厚くなったり、病変部位から細菌が侵入するリスクが高まります。また、白板症や初期がんの病変部を強くこすることは、組織の悪性化や潰瘍化を助長する恐れがあります。
正しい舌苔の除去方法は、専用の舌ブラシを用い、水で濡らした状態で「奥から手前へ」軽い圧(100g程度、触れる程度)で数回なでるだけに留めることです。こすっても取れない白い斑点やブツブツは、汚れではなく粘膜組織自体の病変であるため、絶対に無理に剥がそうとしてはいけません。