取材班が実施した個人投資家への聞き取り調査やネット上の口コミ検証から、オルカン保有者が実際に直面しているリアルな苦悩が見えてきました。
都内のIT企業に勤務する30代男性投資家は、新NISA開始と同時に月10万円の積立をオルカンで始めたものの、取材に対して次のような生々しい本音を漏らしました。
「会社の同期がS&P500やFANG+を買っていて、飲み会のたびに資産増加率のスクショを見せてくるんです。オルカンもプラスではあるんですが、伸び率で明らかに負けているのを見ると、『自分は守りに入りすぎて損をしているんじゃないか』と強烈な焦燥感に襲われます。世界分散という名の安心感を買ったはずが、精神的には全然穏やかでいられません」(30代・会社員)
また、金融掲示板等で頻繁に指摘される落とし穴が為替ヘッジなしによる為替リスクです。オルカンは外貨建て資産を買い付けるため、為替が円高に振れた際には、現地の株価が上昇していても円換算の基準価額が大きく目減りします。2024年夏に発生した急激な円高ショックの際、「世界株安と為替差損のダブルパンチで数日で数十万円が吹き飛んだ」という個人投資家の悲鳴が溢れたことは記憶に新しい事実です。
さらに見過ごせないのが、構成比率数パーセントの低成長国・新興国市場がリターンの足を引っ張る「ドラッグ効果」です。成長が停滞する国やガバナンスに不安を抱える新興国の株式まで自動的に買い支える仕組みは、分散効果をもたらす反面、ポートフォリオ全体の純粋な資本効率を確実に削ぎ落としています。