数字や経営論だけでは測れないのが、長年にわたり地域住民が寄せてきた愛着です。ネット上に残された結婚式口コミやランチ利用者のレビュー、SNSでの惜別の声を精査すると、同ホテルが担っていた独自のポジションが鮮明になります。
ウエディング分野においては、「豪華すぎず気後れしないアットホームな会場」「独立型チャペルから望む白川の借景が美しかった」「スタッフが親切で、予算に寄り添ってくれた」という高評価が目立ちます。親子2代にわたってここで挙式したという家庭も珍しくなく、派手な演出を競う現代の専門式場にはない、家族的な温かみが支持されていました。
また、1階レストラン「パール」などで親しまれた和洋中バイキングや週替わりランチは、水道町周辺で働くオフィスワーカーやシニア層の憩いの場でした。「味は本格的なホテルクオリティでありながら、定食屋感覚で通える価格帯」という稀有なバランスは、チェーン系カフェやファミレスでは代替できない価値を持っていたことが、閉店時の長蛇の列や地元掲示板での書き込みからも証明されています。