本件で最も厳しく追及されたのは、ミスそのものよりも「なぜ3回もの外部指摘がありながら見過ごされたのか」という意思決定プロセスです。公表された調査報告書によると、外部指摘に対する学内対応は極めて形式的でした。
1度目の指摘は2017年3月、大手予備校関係者から寄せられました。しかし、入試問題作成担当の教員が「問題ない」と単独判断し、精査されることなく処理されました。続く6月の高校物理教員による指摘、さらに8月の予備校関係者からの詳細な解説付き再指摘に対しても、部局内の限定されたメンバーのみで「問題なし」と結論づけられ、外部有識者を交えた中立な検証委員会は開かれませんでした。
12月になり、物理学の専門家が作成した論理的な検証レポートが外部から大学本部へ直接届けられたことで、ようやく全学的な検証体制が発足。他大学の物理学教授陣に意見を求めたところ「大学側の解答が誤りである」と即座に一致し、事態の隠蔽・見過ごしが白日の下に晒されることとなりました。