複雑に見える存在範囲の問題を攻略する王道は、すべての基本となるベクトルs+t条件の公式へ無理やり持ち込む「係数変換」の技術をマスターすることです。どんなに複雑な式であっても、目指すべきゴールは常に「◯+△=1」の形を作ること、この1点に尽きます。
基本原理を復習すると、$\vec{OP} = s\vec{OA} + t\vec{OB}$ において、$s+t=1$ かつ $s \ge 0, t \ge 0$ のとき、点Pは線分ABの内分点を動くため、点Pの存在範囲は「線分AB」となります。これがすべての出発点です。もし係数の和が1でない場合、たとえば $2s + 3t = 1$ という制約があるなら、次のように式を変形します。
$$\vec{OP} = 2s\left(\frac{1}{2}\vec{OA}\right) + 3t\left(\frac{1}{3}\vec{OB}\right)$$
ここで $s' = 2s, t' = 3t$ と置き直せば、$s' + t' = 1$ かつ $s' \ge 0, t' \ge 0$ となり、点Pは「線分 $A'B'$(ただし $\vec{OA'} = \frac{1}{2}\vec{OA}, \vec{OB'} = \frac{1}{3}\vec{OB}$)」上を動くことが一目瞭然となります。このベクトル存在範囲係数の和と変換法を徹底することで、見慣れない条件式も既知の基本形へと還元できます。これがまさに、あらゆる入試問題に応用できるベクトル方程式存在範囲の解き方の王道です。