映画『THE FIRST SLAM DUNK』の劇中で描かれた宮城リョータの髪型は、理美容業界の専門カテゴリーで定義すると「ハイフェード・ツーブロック・スパイラルパーマ」(またはカーリーアンダーカット)に分類されます。単にサイドを刈り上げてパーマを当てただけではなく、頭部の骨格補正と立体的な毛流れを計算し尽くした緻密なカット設計が施されています。
ヘアスタイルの構造は大きく分けて2つのセクションで構成されています。まずアンダーセクション(耳周りからバック)は、地肌がうっすら透ける短さからグラデーションをつけるフェードカット刈り上げ。そしてオーバーセクション(頭頂部から前髪)は、強めのリッジ(波打つようなウェーブ)を効かせたスパイラルパーマです。この明快なコントラストこそが、コート上を疾走するリョータの精悍な横顔と躍動感を生み出しています。
原作漫画が連載されていた1990年代初頭、このスタイルは当時のブラックカルチャーやストリートバスケ界隈で流行したアンダーカットに由来します。映画版では原作者・井上雄彦氏自ら監督を務めたことで、毛束の落ちる角度や刈り上げのグラデーション、頭頂部の丸みまで現代的なバーバーカルチャーのエッセンスを巧みに落とし込んだ、極めてリアルでスタイリッシュな質感へとブラッシュアップされました。