加藤茶のルーツを語る上で欠かせないのが、ドラマーとしての卓越した実力です。1960年代初頭、叔父の影響でドラムを始めた加藤は、わずか十代でプロのジャズバンド「クレイジー・シェッツ」などに参加し、米軍キャンプや名門クラブのステージで過酷な下積みを積みました。そのリズムキープ力と躍動感あふれるスネアワークは、当時のジャズ界・ポップス界の玄人筋からも高く評価されていました。
1966年、ザ・ドリフターズは伝説的なザ・ビートルズの日本武道館公演でオープニングアクト(前座)を務めました。歴史的熱狂の渦中、加藤茶は最前線でタイトなビートを叩き出し、ロックの生ける伝説たちと同じステージに立ったのです。テレビ東京系列の音楽特番や過去のアーカイブ映像でも、その軽快かつ正確無比なドラミングは専門家から「歴代の和製ジャズ・ロックスタイルの先駆者」として絶賛されています。
1969年に放送を開始したTBS系『8時だョ!全員集合』は、毎週土曜日の生放送という逃げ場のない極限状況下で制作されていました。生演奏とコントが有機的に融合した舞台において、加藤の身体能力と抜群の間合いは、グループのエンジンとして機能していたのです。