解剖が生んだ肉体美の革命!ポッライオーロの凄みと代表作の全貌

解剖が生んだ肉体美の革命!ポッライオーロの凄みと代表作の全貌

解剖が生んだ肉体美の革命!ポッライオーロの凄みと代表作の全貌の基本情報から最新動向までを一挙に解説しました。

アントニオ・デル・ポッライオーロの空間把握力と肉体表現の頂点を示す傑作が、フィレンツェのバルジェロ美術館に収蔵されているブロンズ小彫刻『ヘラクレスとアンタイオス』(1470〜1475年頃制作)です。大地から離れると力を失う巨人アンタイオスを、怪力ヘラクレスが宙へ抱え上げて絞め殺すというギリシャ神話のクライマックスを描いた作品となります。

高さ約45センチメートルという小品でありながら、鑑賞者を圧倒する緊迫感がみなぎっています。ヘラクレスの背筋から太ももにかけて浮き出る筋繊維、抱きすくめられて苦悶の表情を浮かべるアンタイオスの反り返った腰、そして二人の爪先にかかる負荷の分散が見事に計算し尽くされています。

ウフィツィ美術館には、同じ主題を扱った名高い小板絵も残されています。背景に広がるアルノ川流域を思わせる雄大なパノラマ風景と、前景で繰り広げられる暴力的なまでの肉体の激突。アントニオは、絵画と彫刻という異なるメディアを行き来しながら、「全方位から鑑賞される彫刻の多視点性」を初めて自覚的に確立した彫刻家でもありました。

渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。