基本的な真分数同士の掛け算をマスターした後に待ち受けるのが、形状の異なる数が混在する応用問題です。ここには明確な3つの変換ルールが存在します。
まず、分数の掛け算と整数との計算です。「$\frac{3}{7} \times 4$」のような場合、子どもがやりがちなミスが「分母の7にも4を掛けてしまう」という誤答です。これを防ぐ最も確実な意識付けは、「整数はすべて分母が1の分数である」と捉え直すことです。4を「$\frac{4}{1}$」と書き換えてしまえば、「$\frac{3}{7} \times \frac{4}{1} = \frac{12}{7}$(あるいは $1\frac{5}{7}$)」と、通常のルール通りに処理できます。
次に、帯分数の掛け算のやり方です。帯分数(整数と分数が合体した形)が含まれている場合、そのまま整数同士・分数同士を掛けることは絶対にできません。例えば「$1\frac{1}{2} \times 2\frac{2}{3}$」を計算する際、整数部分の $1 \times 2 = 2$ と分数部分の $\frac{1}{2} \times \frac{2}{3} = \frac{1}{3}$ を合わせて「$2\frac{1}{3}$」とするのは典型的な間違いです。正しくは、「帯分数はすべて仮分数に直してから掛ける」という鉄則を守らなければなりません。
$1\frac{1}{2}$ は $\frac{3}{2}$ に、$2\frac{2}{3}$ は $\frac{8}{3}$ に直し、「$\frac{3}{2} \times \frac{8}{3}$」の形にしてから途中約分を実行します。分母と分子の3同士が約分されて1になり、2と8が約分されて4になるため、答えは整数の「4」になります。
さらに発展形として出題されるのが、分数と小数の掛け算のやり方です。「$0.75 \times \frac{2}{5}$」のような場合、小数はすべて分数に直して統一します。0.75は $\frac{75}{100}$、すなわち約分して $\frac{3}{4}$ です。「$\frac{3}{4} \times \frac{2}{5}$」の形に持ち込めば、あとは途中約分を使って「$\frac{3}{10}$」とスムーズに完結します。