iPadのデータを消去する前に、絶対に怠ってはならないのがデータの退避とセキュリティ機能の解除です。中古買取ショップの査定現場を取材すると、持ち込まれる端末の約15%が事前の準備不足によって減額や買い取り拒否の憂き目に遭っている実態が浮き彫りになります。
最初に行うべきは、iPad初期化前のバックアップ手順の確実な実行です。手軽なのはiCloudを利用した方法であり、「設定」>「ユーザ名」>「iCloud」>「iCloudバックアップ」と進み、「今すぐバックアップを作成」をタップします。写真や大容量ファイルを含む完全なデータを残したい場合や、PCのローカルストレージを活用したい場合は、MacのFinderまたはWindowsのAppleデバイスアプリ(旧iTunes)に有線接続して暗号化バックアップを作成するのが定石です。
そして、最も事故が多発しているのが「探す」機能の解除です。Appleの盗難防止機構である「アクティベーションロック」は、端末とApple IDを強力に紐付ける仕組みです。この紐付けを解かずに初期化を強行すると、次回起動時の初期設定画面で元のApple IDとパスワードの入力を求められ、第三者が一切使用できなくなります。必ず「設定」>「ユーザ名」>「探す」>「iPadを探す」をタップし、トグルスイッチをオフにしてからApple IDのパスワードを入力してください。この「iPadを探すオフ初期化」を徹底することが、トラブルを未然に防ぐ唯一の防壁となります。