暫定2車線の高速道路において、かつて頻発していたのが大型車や乗用車による対向車線への突破事故だった。わずか数十センチの隔たりが、一瞬の居眠りやハンドル操作ミスによって大惨事へと直結していた時代がある。しかし、しなやかに衝撃を吸収するワイヤーロープ式防護柵の全域敷設が進んだことで、その光景は一変した。
従来のガードレールやコンクリート製遮断壁とは異なり、ワイヤーロープは衝突した車両を包み込むように受け止め、反対車線への飛出しを物理的に食い止める。設置にかかるスペースが極めて狭く済む点も、用地確保が難しい日本の地理的条件に適していた。現場の国土交通省関係者は「導入前と比較して、重大突破事故の抑制効果は目を見張るものがある」と語る。安全性の確保は、道路行政における永遠のテーマだ。