規格が存在する一方で、近年の店頭を見ると「幅108mm」や「幅105mm」といったわずかにスリムなロールが増加していることに気づく。これは一体なぜか。背景にあるのは、劇的なコスト削減要請と脱炭素社会に向けた輸送効率の改善である。
紙幅を114mmから数ミリ削るだけで、1本の木材パルプから製造できるロール数が確実に増加する。さらに、大王製紙株式会社や王子ホールディングスといった大手の製紙メーカーは、芯そのものをなくした「ノンコア」製品や、従来の2倍・3倍・5倍という長尺巻きロールの技術開発を猛烈な勢いで推進している。ロールの巻き数を増やし、芯の長さや径をミリ単位で最適化することで、トラック1台あたりに積載できるトイレットペーパーの「総使用可能距離」は飛躍的に伸びる。輸送コストの高騰が続く日本市場において、芯の設計見直しは企業生存をかけた一大イノベーションなのだ。