スタジオジブリの歴代作品を振り返ると、糸井重里氏が手がけた名コピーの数々が作品の代名詞となっています。
・『となりのトトロ』(1988年):「このへんな生きものは まだ日本にいるのです。たぶん。」
・『魔女の宅急便』(1989年):「おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。」
・『おもひでぽろぽろ』(1991年):「私はワタシと旅にでる。」
・『紅の豚』(1992年):「カッコイイとは、こういうことさ。」
・『耳をすませば』(1995年):「好きなひとが、できました。」
これらの歴代コピーは、観客の日常感覚に寄り添い、親近感や郷愁を抱かせる語り口が特徴的でした。しかし、『もののけ姫』で打ち出された言葉は、明確な命令形である「生きろ」です。鑑賞者を甘えさせず、スクリーンの前から現実の荒野へと突き放すような厳しさと力強さを持っています。ジブリの歴史において、これほど直接的に観客の生存本能へ訴えかけたコピーは他に類を見ません。