球速向上に向けた取り組みは、全選手に一律のメニューを課すのではなく、個々の身体特性とメカニクスの現状に応じて明確にステップを分ける必要があります。
【高負荷トレーニング(ドライブライン・ウエイト)に進むべき投手の条件】
・投球後に肩や肘に慢性的な張りや痛みが一切生じていない
・股関節(内旋45度以上)と肩関節(外旋90度以上)の十分な可動域が確保されている
・投球フォームにおいてステップ足着地時に膝が割れず、しっかりとした踏ん張りが効いている
【高負荷トレーニングを中止し、投球フォーム改善・可動域確保を最優先すべき投手の条件】
・テイクバック時に肘が肩のラインよりも著しく下がっている(肘下がり)
・リリース時に上体が早く開き、ボールがシュート回転して球速・キレが出ない
・投球過多や柔軟性不足により、日常的に肩甲帯や腰部に違和感を抱えている
土台となるピッチングメカニクスが破綻している段階で高負荷トレーニングを導入することは、ブレーキを踏みながらアクセルを全開にするようなものです。まずは可動域の改善と下半身主導の連動性を確立することが、結果として最速への最短ルートとなります。