竹と笹はどう違うのか。この素朴な疑問に生涯を捧げたのが、「日本の植物分類学の父」として知られる牧野富太郎博士や、竹類研究の金字塔を打ち立てた室井綽博士といった先達たちです。
一般に「成長しても皮(稈鞘)が幹に残るものを笹、成長とともに皮が綺麗に剥がれ落ちるものを竹」と定義する基準は、彼らの丹念な観察によって確立されました。牧野富太郎は高知の豊かな自然の中で無数の標本を採集し、新種や変種を精緻に記載しました。室井綽はその研究をさらに推し進め、全国のタケ・ササ類の生態分布を緻密にマッピングしたのです。
両氏の研究成果は現在も国立科学博物館の植物標本庫に大切に保管されており、DNA解析技術が進化した現代の植物分類学においても、形態観察の揺るぎない基礎データとして引用され続けています。