『彼岸島』の映像化において、先行して大きな成功を収めたのが実写メディアミックスです。2013年にMBS・TBS系で放送された実写ドラマ『彼岸島』では、宮本明役を白石隼也、兄・篤役を鈴木亮平、吸血鬼・雅役を栗原類が演じ、深夜帯ならではのエッジの効いた演出と原作再現度でカルト的人気を博しました。2016年には続編ドラマ『彼岸島 Love is over』および映画『彼岸島 デラックス』が公開され、原作の代名詞である「丸太アクション」が実写映像として見事に具現化されました。
実写が特撮や特殊メイク、CG合成を駆使して「荒唐無稽なリアリズム」を成立させたのに対し、手描きやフルCGによる邪鬼アニメーションの作画コストは非常に高いハードルとして立ちはだかります。「姫」や「亡者」「太郎」といった邪鬼の異様な肉体構造、うごめく無数の顔や手足、血液の飛沫をアニメーションとして連続して動かすには莫大な作画枚数と制作費が要求されます。中途半端なクオリティでは原作の禍々しさを再現できないという制作側のこだわりも、安易な量産型アニメ化を阻んできた理由のひとつです。