裁判手続きのIT化は、遠隔地に住む当事者やビジネス層にとって圧倒的な利便性をもたらした。ウェブ会議システムを利用した弁論期日への参加は、移動コストや時間のロスを大幅に削減している。
だが、その光の陰には深い溝も存在する。高齢者やIT環境を持たない当事者が、自力で電子訴訟システムを使いこなすのは容易ではない。代理人を立てずに本人訴訟を行うケースにおいて、システムの操作不慣れが手続上の不利益につながっていないか。現場の書記官や弁護士会からは、利便性の追求が「裁判を受ける権利」の公平性を損なってはならないという懸念の声も上がっている。