『サインはV』のドラマ性を決定づけた最大の功労者といえば、ジュン・サンダース役を演じた範文雀だろう。混血の少女としての孤独、骨肉腫という過酷な運命、そして死の直前までコートに立ち続けた凄絶な生き様。彼女の陰のある瞳とクールな佇まいは、番組に深い人間ドラマの厚みをもたらした。
朝丘ユミとの友情、そして二人が編み出した伝説の必殺技「X攻撃」。ネット際で交差する命がけのプレイは、子供向けスポ根の域を完全に超えていた。範文雀が見せた悲壮美あふれる熱演は、日本中の視聴者を涙させ、今なおテレビ史に残るライバル像として語り継がれている。