事件を受け、小児科医の専門組織である日本小児科学会は、強い懸念と明確な医学的見解を表明した。学会が指摘したのは、乳幼児整体という行為そのものが孕む極めて高い致死リスクである。
乳児の頚椎、靭帯、筋肉、そして気道は極めて柔らかく未発達だ。大人の整体やカイロプラクティックのような感覚で首を過度にしならせたり、回旋させたりする行為は、椎骨動脈の解離、脊髄損傷、気道閉塞による窒息を瞬時に引き起こす。「首の座りを早める」「頭の形を良くする」「アトピーや夜泣きが劇的に治る」といった宣伝文句について、学会側は「医学的根拠(エビデンス)は一切存在しない」と完全否定した。
小児医療の専門家たちが口を揃えるのは、乳児の身体は無理な外力を加えて発達を促すような構造にはなっていないという基本原則だ。不自然な外力による刺激は、治療どころか破壊行為に他ならない。