2026年現在の日本酒シーンを牽引しているのは、アルコール度数10〜13%前後の低アルコール原酒や、ワイン酵母・多酸性酵母を用いた革新的なクラフト日本酒だ。これらのモダンな酒は、既存の「+ / −」の枠組みを嘲笑うかのように軽やかだ。
新世代の杜氏たちは、日本酒度を特定の数値に着地させるための仕込みコントロールを行わない。彼らが追求するのは、理想的な酸味と香りの立体感であり、数値はあくまで結果のデータに過ぎない。「昭和・平成の辛口ブーム」を支えた記号消費からの脱却が、若い飲み手を中心に爆発的な共感を呼んでいる。