昭和から令和に至るまで、高知の家庭で愛され続けてきたミレービスケット。だが、その歴史にやなせたかし氏が関わるようになった経緯を知る人は、地元でも案外多くない。高知県で幼少期を過ごしたやなせ氏は、生涯にわたって故郷への強い愛着を持ち続けていたクリエイターだった。
地元の商業や文化を活気づけたいという強い思いから、やなせ氏は高知に関連する企業や自治体からの依頼をほとんど断らなかったと言われている。地域の小さな製菓業者や商店街の振興にも惜しみない協力を注いだ。その温かな人柄と故郷への恩返し精神こそが、名菓ミレービスケットとの運命的な出会いを生み出す原動力となったのだ。