膨大な赤字と過剰雇用の沼に足を取られていた日本国有鉄道。その解体は、単なる企業再建の枠組みを超えた政治的決戦であった。中曽根内閣が強力に推進した国鉄分割民営化プロジェクトは、当時の官公労の労働運動の象徴とされた組織に風穴を開ける一大改革でもあった。
この激震は、政治・行政インダストリーにおける長年の利害関係を根底から揺さぶった。肥大化した組織に民間活力の導入を強行した判断は、現在のインフラ経営や労働市場の流動化をもたらす画期的な転換点となった。だが、その裏側で多くの労働者が路頭に迷い、地方の鉄道路線が相次いで廃止へと追い込まれた歴史的負債もまた、重く横たわっている。