歩き始めは平気なのに、数百メートル歩くと足が痛んだりしびれたりして歩行が困難になり、少し休むと再び歩けるようになる――。この現象は医学的に「間欠跛行(かんけつはこう)」と呼ばれ、歩くと足が痛い決定的な理由を究明する上で極めて重要な臨床症状です。
間欠跛行を引き起こす2大原因が「神経性」と「血管性」です。腰椎の神経トラブルに由来する坐骨神経痛と足のしびれは、腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアによって神経根や馬尾神経が圧迫されることで生じます。この場合、前屈み(カートを押す姿勢や自転車に乗る姿勢)になると神経の圧迫が緩むため、歩行が楽になるという特徴があります。
対照的に、血管の異常である「下肢閉塞性動脈硬化症(下肢末梢動脈疾患:PAD)」は、動脈硬化によって足の血管が細くなり、筋肉への血流が不足することで酸欠状態に陥り痛みを引き起こします。血管性の場合は姿勢に関係なく、単に立ち止まって休むことで筋肉の酸素需要が減り症状が改善します。足の脈拍が触知しにくい、足先が冷たい、皮膚が白っぽいといった症状を伴う場合、神経ではなく血流障害を強く疑わなければなりません。