ファンが直面している「試合ごとに放送局や配信先がバラバラで分かりにくい」という混乱の根底には、スポーツ放映権ビジネスの地殻変動が存在します。かつてはNHKや民放キー局が数億円規模で獲得していた代表戦の放映権ですが、WBC2026日本代表戦日程を取り巻くグローバルな放映権料は、前大会の世界的な成功を受けて数十億円から百億円規模へと跳ね上がりました。
テレビ局の制作現場を取材すると、「地上波単独での放映権料ペイは広告出稿の構造上、極めて困難な水準に達している」という生々しい声が漏れ聞こえてきます。この巨額マネーに対抗できるのは、世界規模でサブスクリプション会員基盤を持つ巨大テック企業に他なりません。Amazon Prime Videoをはじめとするメガプラットフォームが参入したことで、高品質な配信体制が担保された反面、地上波テレビの一社独占生中継という昭和・平成的な観戦風景は完全に過去のものとなりました。
2026年大会の予選ラウンドから決勝ラウンドに至るロードマップにおいても、平日昼間に海外で開催される試合などは地上波中継が組まれず、ネット配信限定となる枠組みが定着しています。スポーツを「受動的にテレビで待つ」時代から、「最適な配信インフラを自ら選択してアクセスする」時代へとファン側の意識改革が求められているのが実情です。