番号を非通知にして電話をかけてくる相手は、主に4つのカテゴリーに大別されます。警察庁の生活安全局が公表している特殊詐欺対策白書やサイバー犯罪対策の最新統計を参照すると、個人のいたずら電話の比率は年々激減しており、大半が犯罪組織やグレーゾーンのテレマーケティング業者による計画的な架電であることが明らかになっています。
非通知電話の理由として最も警戒すべきは、特殊詐欺グループや「闇バイト」を実行役とする強盗グループによるアタックリストの事前調査です。彼らは名簿業者から入手した数十万人規模の流出データベースをもとに、闇バイト名簿収集電話を日常的に発信しています。電話に出た相手の応答の仕方、声のトーンから推定される年齢層、背後から聞こえる生活音(テレビの音や子どもの声など)を瞬時に分析し、資産状況や家族構成をプロファイリングしているのです。
2つ目は、グレーゾーンの不用品回収業者や投資勧誘、リフォーム業者による営業電話です。特定商取引法により、電話勧誘販売を行う事業者は社名や目的の明示、電話番号の通知が義務付けられています。しかし、最初からクレームや着信拒否を回避する目的で番号を隠して発信してくる悪質な事業者が後を絶ちません。
3つ目は、ストーカーや知人による執拗な監視・嫌がらせ目的の架電です。プライベートな人間関係のもつれから、相手の状況(今誰かと一緒にいるのか、自宅にいるのか)を探るために非通知機能が悪用されます。
ごく稀に存在する4つ目のケースが、公的機関や医療機関からの正当な業務連絡です。警察署の個別内線電話、夜間救急病院の当番医師の業務用携帯電話、あるいは企業の採用担当者が個人の社用携帯から発信する場合、内線システムの都合や返答の混雑を防ぐ目的で発信元が非通知になる仕様が一部残っています。しかし、公的機関や医療機関であれば、留守番電話に具体的な所属と要件を必ず残します。メッセージが一切残されない非通知着信は、悪意ある発信と判断して差し支えありません。