息をのむような名演の裏には、文字通り命がけの過酷な撮影現場がありました。当時、高橋メアリージュンは難病である潰瘍性大腸炎を患っており、激しい腹痛や体調不良と闘いながら撮影に臨んでいたことが後に明かされています。
大友啓史監督が率いる『るろうに剣心』の撮影現場は、CGに頼らない徹底したリアリズムと激しいアクションが連続する極限の環境です。華やかな花魁風の衣装に身を包みながらも、粉塵が舞い散るセットの中で志々雄の側に立ち続け、感情を爆発させる芝居を要求されました。
肉体的な限界を迎えながらも、「この役をやり遂げる」という強い覚悟で臨んだ現場。彼女自身が抱えていた切迫感や覚悟が、志々雄に命を捧げる由美の鬼気迫る情念と奇跡的なシンクロを生み出したといえます。