組織心理学者アダム・グラント教授は、著書『GIVE and TAKE』の中で、人間の行動と思考パターンを「ギバー(与える人)」「テイカー(奪う人)」「マッチャー(損得のバランスをとる人)」の3つに分類しました。ギブアンドテイク人間関係の真相を理解する上で、この類型論は不可欠な視座を提供します。
グラント氏の大規模調査によると、世の中の人口比率はマッチャーが約56%と半数以上を占め、次いでギバーが約25%、テイカーが約19%という構成比を示しています。それぞれの心理的力学を詳細に比較したのが以下のデータです。
ギバーとテイカーの特徴を比較すると、テイカーは初対面において非常に魅力的で親しみやすく、頼もしい人物として現れるケースが少なくありません。彼らは自己アピールに長け、周囲の歓心を買うのが巧みです。一方、マッチャーの心理の核にあるのは「公平性の維持」です。マッチャーはギバーから親切を受ければ誠意を持って返礼し、テイカーの身勝手な振る舞いを目にすれば「許せない」という義憤から報復行動を取ります。社会の過半数を占めるマッチャーの存在こそが、悪質なテイカーを自然淘汰する防波堤として機能しています。