波乱のメカニズムを解く鍵は、舞台となる函館競馬場芝1200mコース特徴の特異性にあります。このコースは2コーナー奥のポケットからスタートし、直後に約3.5mの上り坂が待ち構えています。その後、3コーナー手前から直線にかけて約4mの下り坂を一気に駆け下りるというダイナミックな高低差を持っています。
最大のポイントは、「最後の直線がわずか約262m」というJRA主要コースで最も短い部類に入る直線距離です。直線に入ってから追い込もうとしても、前との差を詰める時間はほとんど残されていません。そのため、4コーナーを立ち上がった時点で前を射程圏に入れておく機動力が絶対条件となります。
こうしたレイアウトを踏まえた「函館スプリントステークス枠順別勝率」のデータ傾向は、ファンが抱く一般的なイメージとはやや異なる様相を示しています。
過去のデータ検証では、1〜2枠の内枠勢の複勝率が約32%と非常に優秀である一方、外枠(7〜8枠)の馬も勝率ベースでは決して引けを取りません。内枠に入った馬は最短ルートを通れる大きな利点があるものの、包まれて進路を失うリスクと隣り合わせです。反対に外枠の先行馬は、外から被せ気味にポジションを確保できるため、開幕週の高速馬場でも揉まれずに自分のリズムで押し切れるケースが存在します。「内枠だから無条件で買い」「外枠だから即消し」という短絡的な判断は危険です。