降雪時のドライブにおいて、命直結のトラブルを招くのが走行中の車体着雪です。特にフロントガラスの視界不良、ヘッドライトの光量激減、そしてタイヤハウス(ホイールハウス)内の氷雪付着は重大事故に直結します。
寒冷地で走行していると、タイヤが跳ね上げた湿雪がタイヤハウス内部に付着し、走行風によって瞬く間にカチカチの氷塊へと成長します。これを放置するとハンドルが切れなくなる操舵不能に陥るほか、旋回時にタイヤが氷塊と接触してバーストを引き起こす危険性があります。パーキングエリア等で安全を確保した上で、プラスチック製のスノーブラシやスクレーパーを使ってこまめに氷塊を砕き落とす習慣が不可欠です。
近年、予防保全として大きな注目を集めているのが着雪防止スプレーの活用です。特殊なシリコーン樹脂やフッ素化合物を主成分とするスプレーを車体のアンダーボディやタイヤハウス内、ナンバープレート、ヘッドライトカバーに塗布しておくことで、雪が付着するための足場となる微細な凹凸を滑らかにし、雪の滑落を促す効果があります。
ただし、施工にあたっては厳密な注意が必要です。ブレーキディスクやブレーキパッドなどの制動装置に撥水・防雪スプレーの成分が付着すると、摩擦係数が著しく低下してブレーキが効かなくなる致命的な事故を招きます。また、フロントガラスへの使用は油膜ギラつきやワイパーのビビリ原因になるため、「ガラス専用の撥水剤」と「ボディ・樹脂用の着雪防止スプレー」を用途に応じて厳格に使い分けることが求められます。