日本酒ファンの間で長年囁かれてきた噂の一つに、「埼玉県羽生市の南陽醸造へ直接出向けば、蔵元直売で定価購入できるのではないか」というものがあります。過去には敷地内の売店で販売されていた時期もあり、かつての記憶や古いブログ記事を頼りに現地を目指す愛好家が今も存在します。
しかし、花陽浴 蔵元直売 現在の状況について調査した結果、現場の実態は大きく異なっています。現在、南陽醸造の敷地内において、一般旅行者や愛飲家向けに花陽浴が常時店頭販売されているという事実は一切ありません。過度な買い占めや早朝からの行列による近隣住民への迷惑、さらには仕込み期間中の限られた人的リソースの保護を最優先とするため、蔵元での花陽浴の直接販売は原則として行われていないのです。
現地を訪れた際、直売スペースで目にする可能性があるのは、蔵のもう一つの代表銘柄である「藍の郷(あいのさと)」や、酒粕などの加工品に限られます。藍の郷も南陽醸造の卓越した技術を感じられる素晴らしい本醸造・純米酒ですが、「花陽浴がその場で手に入る」と思い込んで遠方から羽生市へ突撃することは、徒労に終わるだけでなく蔵元の日々の醸造業務に多大な支障をきたす行為となります。「蔵元へ行けば買える」という古い都市伝説は、明確にアップデートされなければなりません。