インターネット上の投資フォーラムや情報発信では、バルサラの理論に関して危険な誤解が幾重にも拡散されています。代表的な盲点を検証し、真実を整理しておく必要があります。
第1の誤解は、「破産確率が1%や2%なら、実質的に安全圏である」という過信です。確率論の世界において、1%の破産リスクを抱えたまま何千回、何万回と取引を継続すれば、いずれかのタイミングでその1%の死神の鎌が振り下ろされる蓋然性は決して無視できません。長期的に相場で資産を拡大し続けるプロの基準において、許容できる破産確率は「完全な0.0%」以外に存在しないのです。
第2の誤解は、「スリッページや取引手数料の無視」です。ネット上に公開されている簡易的なバルサラの破産確率計算ツールに入力する際、多くの投資家はスプレッドや急変動時のスリッページコストを考慮に入れていません。ボラティリティが急激に拡大する相場局面では、設定したストップロス(損切り注文)が指定価格から大きく滑って約定することがあります。机上の計算で破産確率0%を叩き出していても、実効リスクが跳ね上がっているケースがある点には細心の注意を払わなければなりません。