カフアシストとは?保険適用基準や吸引との違いと禁忌を徹底解剖

カフアシストとは?保険適用基準や吸引との違いと禁忌を徹底解剖

カフアシストとは?保険適用基準や吸引との違いと禁忌を徹底解剖についての最新情報をお届けします。

カフアシスト(一般名:機械的排痰補助装置 / 英語:Mechanical In-Exsufflation, MI-E)とは、自力での喀痰(かくたん)排出が困難になった患者に対し、マスクやマウスピース、あるいは気管切開チューブを介して空気圧を送り込み、咳の気流を強制的に作り出す医療機器です。国内ではフィリップス・レスピロニクス社が展開する「CoughAssist」シリーズが広く普及しており、その商標名が装置全体の代名詞として定着しています。

健康な成人は、深く息を吸い込んだ後に声門を閉じ、呼吸筋と腹筋を収縮させて胸腔内圧を高め、一気に呼気を噴出させることで気道の異物を吹き飛ばします。このときの最大咳流量(Peak Cough Flow: PCF)は健常者で毎分360〜1,000リットルに達します。ところが、神経筋疾患などで呼吸筋が麻痺するとPCFは急速に低下。臨床現場の指標では、PCFが毎分270リットルを下回ると排痰障害のリスクが生じ、毎分160リットル未満では自力排痰がほぼ不可能となり、風邪などの軽微な呼吸器感染症でも命に関わる無気肺や窒息を引き起こします。

カフアシストは、まず肺を安全に膨らませる「吸気陽圧」を加え、その直後に瞬時に「呼気陰圧」へと切り替えます。この急激な圧力差(プレッシャードロップ)によって肺内部から体外へ向かう高速の気流を発生させ、末梢の細気管支に張り付いた粘稠な痰を、口元や気管分岐部などの太い気道(中枢気道)まで一気に吸い上げるのです。在宅呼吸管理の指針が改定を重ねた現在、単なる延命器具ではなく「肺炎による緊急入院を防ぎ、QOLを維持するための必須ツール」として医療・在宅現場の双方から極めて高い注目を集めています。

佐藤 大輔
著者

佐藤 大輔

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