全財産を譲る遺言書の書き方と注意点!無効や親族トラブルを防ぐ決定版

全財産を譲る遺言書の書き方と注意点!無効や親族トラブルを防ぐ決定版

全財産を譲る遺言書の書き方と注意点!無効や親族トラブルを防ぐ決定版の要点や背景をコンパクトにまとめました。全体像を一目で把握できます。

法的効力を確実に保ち、金融機関の口座解約や法務局での不動産登記をスムーズに通すためには、民法の定めに適った厳格な書式を遵守しなければなりません。相続人が法定相続人(妻や子など)である場合と、法定相続人ではない第三者(内縁の配偶者、息子の嫁、世話になった知人など)である場合とで、用いるべき法文が異なります。

以下に、実務で標準的に用いられる遺言書で全財産を一人に相続させる文例を提示します。

【文例1:法定相続人(妻)に全財産を相続させる場合】

遺言書

第1条 遺言者〇〇〇〇は、その有する一切の財産を、遺言者の妻〇〇〇〇(昭和〇年〇月〇日生)に相続させる。
第2条 遺言者は、本遺言の遺言執行者として、前条記載の妻〇〇〇〇を指定する。
第3条 遺言執行者は、不動産の所有権移転登記手続き、預貯金等の解約・名義変更手続き、その他本遺言の執行に必要な一切の権限を有する。

2026年〇月〇日
東京都〇〇区〇〇丁目〇番〇号
遺言者 〇〇 〇〇  (実印)

法定相続人に対しては「相続させる」という文言を用います。一方、内縁の妻や第三者、慈善団体などに託す場合は、法定相続権が存在しないため「包括して遺贈する」という表現を用いなければなりません。「相続させる」と「包括遺贈する」を取り違えると、法務局での登記申請が却下される恐れがあるため細心の注意が必要です。

自筆証書遺言で全財産を指定する方法として、預貯金口座や不動産の目録を添付せず「一切の財産を相続させる」と包括指定する形式は有効です。ただし、不動産の地番・家屋番号や金融機関の支店名・口座番号を特定した財産目録を添付しておく方が、死後の相続手続き現場における金融機関や行政窓口での審査速度が圧倒的に上がります。なお、民法改正により財産目録部分のみパソコン作成(または通帳のコピー・登記事項証明書の添付)が認められていますが、その各ページに遺言者の署名と押印が必須となる点を失念してはなりません。

山本 拓海
著者

山本 拓海

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。