日本海側から吹きつける寒気によってもたらされる金沢の雪は、太平洋側のサラサラとした粉雪とは異なり、大量の水分を含んで非常に重いという際立った特徴があります。積雪が増すと木々の枝には凄まじい荷重がかかり、そのまま放置すれば大枝が根元からへし折れてしまいます。この雪害から庭木を守ることこそが、雪吊りを施す最大の理由です。
雪吊りの基本構造は、木の中心に頑丈な帆柱(芯柱)を立て、その頂点から放射状に何十本、何百本もの荒縄を垂らして各枝を結び留める仕組みになっています。上から吊り上げる張力によって、枝にかかる下方向への雪の重みを芯柱へと分散させます。力学的に極めて理にかなったこの補強システムにより、繊細な枝ぶりを保ちながら豪雪の重量を受け止めることができるのです。