顎の下を押すと痛い原因は?首のしこりや腫れに潜む病気と病院受診の目安

顎の下を押すと痛い原因は?首のしこりや腫れに潜む病気と病院受診の目安

顎の下を押すと痛い原因は?首のしこりや腫れに潜む病気と病院受診の目安についての疑問解決ガイドをご紹介します。

「顎の下を押すと痛い」という訴えの背後には、首周りの解剖学的構造が深く関わっています。下顎の骨の内側から喉頭(のど仏)にかけてのエリアは「顎下三角(がっかさんかく)」と呼ばれ、免疫器官である頸部リンパ節群と、唾液をつくる顎下腺が左右対称に配置されています。指で押して痛みを感じる場合、このどちらかの組織に急激な内圧上昇や組織の炎症が生じている可能性が高いと考えられます。

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の臨床指針や医療現場の症例統計を踏まえると、顎の下を押すと痛い原因の上位には明確なパターンが存在します。

最も頻度が高いのは、風邪や咽頭炎、虫歯などに続発する「反応性リンパ節炎」です。体内に侵入した病原体と免疫細胞がリンパ節内で激しく戦う過程で、リンパ節を包む被膜が急激に引き伸ばされ、押した際の限局した圧痛を引き起こします。正常時であれば数ミリ程度で触れないリンパ節が、1〜2cm前後に腫脹して痛覚を刺激するのです。

続いて見逃せないのが、唾液腺に生じる「顎下腺炎と唾石症(だせきしょう)」です。唾液を口の中へ送り出す導管にカルシウムの結晶(結石)が詰まることで唾液がうっ滞し、腺体がパンパンに腫れ上がって圧痛を招きます。さらに、皮膚直下に老廃物が溜まる「粉瘤(アテローム)の感染」、下顎の骨や筋肉への過度な負荷による「頸部筋膜炎」、そして稀ではあるものの警戒を怠れない「悪性腫瘍」が鑑別疾患として挙がります。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。