インクルーシブ保育とは?統合保育との違いや現場の賛否を徹底解明とはどのようなものなのか? 背景や要点を整理してお届けします。
厚生労働省およびこども家庭庁の公表資料を紐解くと、認可保育所等における障害児の受け入れ件数は過去10年で一貫して増加傾向にあります。特に自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動症(ADHD)といった発達障害の早期スクリーニングが進んだことで、支援を必要とする子どもの数は右肩上がりを続けています。
しかし、受け入れの要となる加配保育士の配置基準は、自治体によって補助金の交付要件や基準に大きな格差が存在するのが実情です。
項目統合保育の枠組みインクルーシブ保育の枠組み現場の運用実態と課題基本思想通常クラスに障害児を「合流」させる最初から多様性を前提とした集団設計理念の理解が保育者間で共有不足なケースも散見適応へのアプローチ子どもが集団行動に順応するよう訓練環境側(遊具、音、日課)を子どもに合わせる構造化や視覚的支援の専門スキルが必要人員・加配配置基準手帳所持児を対象に自治体基準で補助グレーゾーンを含めた弾力的なチーム配置障害児2〜3名に対し加配1名の自治体が多く不足感が強い法的根拠・指針従来の児童福祉法に基づく特別指導事業改正障害者差別解消法・こども家庭庁新指針2024年4月より民間園も「合理的配慮」が義務化
国の地方財政措置における目安は概ね「障害児2人に対して加配保育士1人」と設定されていますが、実態としては診断書の有無や自治体の財政規模により、加配保育士1名が3名以上の要支援児を同時に担当せざるを得ない園も少なくありません。これが後述する現場の疲弊を加速させる温床となっています。