多くのビジネスパーソンが頭を悩ませているのが、公的な連絡やトラブル報告における言葉の選び方です。大手通信企業やITベンダーの社内チャットツール(SlackやTeams)のコミュニケーション監査を担当する専門家によると、緊急事態報告における不適切な感情表現が業務遅延を助長するケースが報告されています。
実際に起きた事例として、システム障害発生時に担当者が上長やクライアントに対し、次のようなメッセージを送信して厳しく叱責されたケースがあります。
「予期せぬデータベース破損が発生し、現在チーム一同、途方に暮れております」
送信した本人としては「事態がそれほど深刻である」というニュアンスを伝えたかった意図でしたが、受け取った側からは「パニックに陥って思考停止している」「プロとしての当事者意識や解決姿勢を放棄した無責任な態度」と判定され、結果としてプロジェクトの信頼関係に大きな亀裂が入りました。
また、途方に暮れるの誤用と注意点として頻出するのが、「途方に迷う」という言い回しです。文化庁の国語調査やメディア校閲の現場でも定期的にチェックが入る混交表現であり、「道に迷う」と「途方に暮れる」が頭の中で混ざり合って生じる明らかな誤用表現です。「途方に迷う」という日本語は存在しないため、公文書やビジネスメールで書かないよう注意が必要です。