編集部では、平日の午後および休日の秋葉原、池袋、新宿の大型カプセルトイ専門店へ実際に足を運び、カプセル自販機の稼働状況を現場観察しました。
そこで目撃したのは、他のアニメ作品とは一線を画す特異な消費動向です。『進撃の巨人』の筐体前には、日本人ファンのみならず、欧米やアジア圏からのインバウンド(訪日外国人観光客)がひっきりなしに立ち止まります。アニメ完結後も海外配信プラットフォームでトップクラスの視聴数を維持しているため、観光の記念として1人で10回以上連続してコインを投入する外国人の姿が日常的に見られます。この「国内コアファン+世界規模のインバウンド需要」の重複こそが、供給を一瞬で蒸発させる最大の現場的要因です。
さらに、回収ボックス(空カプセル入れ)を観察すると、ファン心理の生々しいリアルが浮き彫りになります。SNSや知恵袋、コミュニティ掲示板には次のような生の声が寄せられています。
「池袋のガシャポン専門店、進撃の入荷ポストから2時間後に行ったらすでに空っぽ。回収箱を覗いたら、目当てじゃないキャラのカプセルやミニブックだけがそのまま捨てられていて切なくなった」(20代・女性ファン)
「リヴァイ狙いで5,000円溶かしたけれど結局出ず。メルカリを見たら出品が溢れていて、最初からフリマで定価以上を出して買った方が安上がりだったのではないかと毎回後悔する」(30代・男性コレクター)
「地方のイオンモール内にある小さな書店前のガチャコーナーで、数ヶ月前に完売したはずのフィギュアが普通に残っていた。都心の激戦区を避けるのが一番の近道だと痛感した」(20代・女性ファン)
現場の声が示す通り、需要の過密地帯である都心部では瞬殺される一方で、流通の隙間となっている郊外の生活拠点ではひっそりと残存しているという「二極化」が鮮明になっています。