「一重と奥二重は何が違うのか」という疑問に対する答えは、感覚的な見た目ではなく、まぶたの内部構造である挙筋腱膜(きょきんけんまく)の癒着状態にあります。目を開ける際、眼球の奥にある「上眼瞼挙筋(じょうがんけんきょきん)」という筋肉が収縮し、その先端にある繊維組織である挙筋腱膜が「瞼板(けんばん)」という軟骨のような組織を上方へ引き上げます。
一重まぶたの場合、この挙筋腱膜は瞼板にのみ結合しており、まぶたの表面の皮膚とは一切結合していません。そのため、目を開けた際に皮膚が引き込まれることなく、カーテンのように一枚の幕として垂直に持ち上がります。
一方の奥二重は、解剖学上は完全な二重まぶたです。挙筋腱膜の枝(線維組織)が瞼板だけでなく表面の皮膚にも強固に繋がっています。目を開けると皮膚が内側へクイッと引き込まれ、折り返しのヒダが作られます。それにもかかわらず外見上「一重」のように見えてしまうのは、上まぶたの脂肪(眼窩脂肪やROOFと呼ばれる隔膜前脂肪)の厚みや、生まれつきの皮膚のたるみが折り込み部分の上に覆いかぶさっているためです。
大手美容外科クリニックや形成外科の統計資料によると、日本人のまぶたの内訳はおよそ一重まぶたが約60%、奥二重が約30%、目を開けた状態で明瞭な二重幅が視認できるタイプが約10%前後と報告されています。実に人口の9割近くが、まぶたの腫れぼったさやラインの隠れやすさに直面している計算です。