ネット上の言説において、「自己中な大人は親の育て方が悪い」「裕福な家庭で甘やかされて育った結果だ」といった単純な家庭環境還元論が頻繁に語られます。しかし、これは半分正しく、半分は決定的な誤解です。
心理学および発達行動学における自己中心的な人 育ちの特徴を検証すると、原因は「過保護・溺愛」のみならず、真逆の「深刻な愛情遮断や過剰な条件付きの承認」からも生じることが分かっています。「100点を取ったときだけ褒める」「親の期待通りに振る舞わないと無視する」という環境で育った人間は、「ありのままの自分には価値がない」という強烈な不安を抱えます。その防衛機制として、他者を踏み台にしてでも自らの有能さをアピールし続けるモンスターへと変貌していくのです。
また、「悪気がないから許してあげるべきだ」という善意の配慮も極めて危険な罠です。「自覚のない無邪気な自己中心性」であっても、奪われる側の時間や精神が破壊される事実に変わりはありません。「悪意がない=無罪」とするネット特有の同情論に引きずられず、行動の結果として生じている被害に目を向けなければなりません。