ネット上の移住体験ブログやSNS、現地住民が交わすリアルなコミュニティの会話を追跡すると、「憧れのリゾート移住」が数年で挫折に至る生々しい要因が浮かび上がってきます。
実際に伊豆高原の別荘地を購入し、わずか3年で都内の賃貸マンションへと戻った50代元IT企業勤務の男性は、情報番組の特番取材で次のように述懐しています。
「朝起きてウッドデッキから海を眺め、好きな時間に温泉に入る。最初の半年間は天国のようでした。しかし、伊豆半島の地形は坂道だらけで、最寄りのスーパーや病院まで徒歩では絶対に辿り着けません。大雨や台風のたびに庭へ倒木がなだれ込み、雑草の成長スピードは異常。毎週の草刈りと害虫駆除に追われ、気がつけば休む暇もない肉体労働の日々でした」
さらに深刻なのが、生活インフラと人間関係の摩擦です。伊東市移住失敗の真相を分析すると、以下の3点が生活満足度を決定的に引き下げる要因として挙げられます。
1点目は「圧倒的な車依存と急傾斜地生活」です。市街地から少し離れると高低差が激しく、高齢になった際に運転免許を返納した途端、陸の孤島と化します。2点目は「気候と湿気による建物・家財の傷み」。温暖で雨が多い伊東の山手エリアでは、梅雨時から夏場にかけて換気を怠るとクローゼットの革製品や畳が一面カビだらけになります。そして3点目は「医療機関へのアクセス」です。総合病院の選択肢が限られており、高度医療を受けるためには熱海や三島、あるいは都内まで遠出を強いられる点がシニア層の大きな不安材料となっています。
一方で、市街地の平坦地に拠点を構え、温泉銭湯を日常使いしている移住者からは伊東市定住の評判と住みやすさについて「干物や地魚が驚くほど美味しく、気候も温暖で暮らしやすい」という肯定的な意見も多数存在します。「別荘地の隔絶された環境」と「市街地の生活利便性」を混同して判断してしまうことが、ミスマッチを生む最大の元凶です。