物語のクライマックスにおける最大の焦点は、主人公・緑谷出久がどのようにして死柄木弔およびAFOとの戦いに決着をつけたのか、そして「デクのOFAはどうなったのか」という点でした。
単行本および最終章の描写が示す通り、デクは死柄木の深層心理にある「崩壊の根源」を破壊し、AFOの精神的支配を打ち破るため、歴代の因子(志村菜奈、煙、万縄大悟郎、四ノ森避影、ブルース、駆藤敏次、そして与一)を弾丸のように死柄木の肉体へ叩き込み、譲渡していく作戦を敢行しました。
この決死の選択により、長きにわたるAFOとの因縁に終止符が打たれましたが、同時に以下の結末をもたらすことになります。
- OFAの完全燃焼:すべての因子とストックされた力は消滅。デクの手元には一時的な「残火( embers )」のみが残された。
- 無個性への回帰:雄英高校卒業を前にして残火も完全に消え去り、デクは再びかつての「無個性」へと戻り、雄英高校の教員として次世代を育成する道へ進んだ。
- 8年後のアーマードスーツ:オールマイトや1年A組の仲間たち、そして爆豪勝己らの出資と海外技術支援により開発された「最高峰のサポートスーツ」を受け取り、デクは再び最前線のヒーローとして現場へ復帰した。
ファンの間では「能力を失った喪失感」に対する議論も巻き起こりましたが、公式が描いたのは「特別な力を持たない者でも、社会全体が手を取り合えば誰もがヒーローになれる」という、作品の第一話から貫かれたテーマの結実でした。