日本の政治の中心地である永田町には、明文化された服装規定と、長年培われてきた暗黙の了解が存在する。特に衆議院の本会議場や委員会室における身なりは、国民に対する礼節を示すものとして厳格に扱われてきた。その中で、稲田朋美氏が披露してきたファッショナブルな装いは、従来の重厚で保守的な議員像を大きく覆すものであった。
中でも語り草となっているのが、いわゆる「網タイツ騒動」である。地元・福井県の特産品である繊維産業やメガネ産業をアピールするという名分のもと、彼女は特徴的なレース模様のタイツやミニ丈のスカート姿でメディアに登場した。地方産業振興という明確な目的があった一方で、伝統的な服装マナーを重視するベテラン議員や一部メディアからは「TPO(時・場所・場合)を弁えていない」との厳しい反発が相次いだ。視覚的インパクトを使ったアピール手法は、諸刃の剣となったのである。