定額制動画配信サービスの代表格であるNetflixやAmazonプライム・ビデオが世の中に浸透したことで、消費者の「コンテンツ対価」に対する感覚は根本から変化した。見たい作品を選択して契約し、不要になればワンタップで解約できるオンデマンド型ビジネスが標準となった現代において、視聴の有無にかかわらず一律で徴収される公共放送のコスト構造には厳しい視線が注がれている。
こうした構造変化は、放送・メディア業界全体にも巨大な地殻変動をもたらしている。民放各社が無料見逃し配信や配信ビジネスの拡大に走る中、公共放送だけが法的な強制力を背景とした受信料モデルに依存し続けることへの疑問符は大きい。市場メカニズムから切り離された受信料制度が、果たしてデジタル時代の多様な選択肢と調和するのかどうか、本質的な議論が求められている。